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vol.10

アパショナータ,Inc 代表&コンサルタント 

パク・スックチャ

米国系運輸企業にて日本・香港・シンガポール・中国など、太平洋地区での人事、スペシャリストおよび管理職研修企画・実施を手がける。2000年に退社し、日本で最初にワークライフバランスを推進するコンサルタントとして独立。企業での社員の意識改革、働き方改革及び教育研修に携わる。同時に米国とアジアに精通したグローバルな経験を活かし、ダイバーシティ(多様な人材活用)の推進に力を注ぐ。


「無意識の偏見」を乗り越える

 海外でのダイバーシティ分野で、(無意識の偏見)「アンコンシャス・バイアス」への関心が急激に高まっている。ジェンダーに関して欧米では、女性の社会進出が進み、高学歴女性が増え、それにつれ中間管理職の女性比率も高まった。しかし、上級管理職の女性が思ったように増えず、伸び率は鈍化している。なぜか?
 ここ20年ほど、多くの実験研究や調査が行われ、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)の及ぼす職場へのさまざまなネガティブな影響がわかってきた。
 例えば、女性やマイノリティの採用や昇進など、人が行う評価や意思決定にゆがみを与え、女性活躍推進を阻む大きな要因になっていることがデータとして解明されたのだ。
 無意識の偏見とは、ある人や集団などの対象に対し、自覚なく持っている偏った見方・考え方のこと。人間は誰もが偏見を持っており、偏見には機能があるため、悪いことではない。しかし、多くの場合、根拠や事実に基づいていないため、間違った判断をする要因になってしまうのだ。
 日本の場合、海外と違ってやっかいなのは、「無意識」だけでなく「意識」の偏見も根強いため、影響がさらに深刻だ。
 例えば、世界経済フォーラムから毎年発表されている世界各国の男女格差測るジェンダー・ギャップ指数の 2016版において、日本は144か国中111位と、特に先進国での間では極端に低いことにも表れている。
 女性活躍を疎外する大きな要因としてしばしば挙げられる、両立や長時間労働の問題は確かにあるが、それらが解決しても、無意識の偏見へ対して意識を高め適切な対応を行わない限り、女性活躍推進は頭打ちになることは、欧米の状況から見えてくる。 グッドニュースとしては、無意識の偏見を乗り越える策があること。多くの欧米企業がまず実施していることはアンコンシャス・バイアス研修を提供し、社員への偏見への意識と知識を高め、行動変革へつなげること。「無意識」には「意識」して対応することが重要だからだ。
 女性が活躍することは、組織だけではなく、社会にとっても有益だ。日本の前進してきている女性活躍をもう一段階上げるために、日本もそろそろ無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)に取り組むべきではないか。





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