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トップインタビュー「私とメンター」
将来を見据え、後輩にどういう技術や製品を残すことができるのかを考えた
アキレス工場には何年ぐらいいらっしゃったのですか。斎藤東京都西多摩郡にある瑞穂工場には10年ぐらい勤務しました。現場には、職長や班長、それから作業員の方もいらっしゃるのですが、非常によくコミュニケーションを取れたので、人の使い方や人のモチベーションを上げるためにはどうしたらいいのかということを、職長、班長からたたき込まれました。その後、ようやく10年目にして開発へ行き、企画ができるようになりました。新型エンジンの開発プロジェクトをやりましたので、よかったと思います。航空エンジンの開発は、実は息が長い仕事なのです。自分たちの時代に成果が出て、収益を上げられるようなビジネスはなかなか少なくて、後継にバトンタッチしていかなければいけない役割です。将来を見据えて、われわれは後輩にどういう技術なり、製品を残すことができるのかということをたたき込まれるわけですね。
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アキレスすごくワクワクするところですね。
斎藤面白かったですよ。そこでは楽しく厳しい６～７年でした。それからまた瑞穂の工場へ戻り、その間に新しい工場を立ち上げるというプロジェクトがスタートし始めたので、そこに入りました。いま福島県に相馬工場がありますが、その立ち上げに参画しました。
私はもともと生産技術というカテゴリに入る技術者になると思うのですが、新しい工場を立ち上げるという話になりますと、それ以外にも自治体との関係とか部品の調達、さらに弁当はどこを選ぶかとか、これまでと異なった総務系の仕事も担当することになりましたので、別の意味での面白さがありました。
アキレス仕事が広がったのですね。工場であっても、おっしゃるようにいろいろな側面がありますから、それを全部考えて議論して、形にしていくという意味では、ものづくりに近いところにありますね。
斎藤そこには立ち上げを含めて３年いましたが、工場が出来上がってから１年間で戻されて、次は生産の企画をやってくれということになりました。どんな品目を、どの工場で、どんなふうに作って売り上げを伸ばしていくかという、いわゆるプランニングですね。生産全体を統括しているところの参謀部門だったので、工場部門にはかなり行かなければいけない仕事がありまして、航空宇宙事業本部全体の生産を考える、よい機会になりました。
アキレスそれまでは一つの工場でしたが全体を見るようなお仕事ですね。
斎藤事業部長の参謀になりますので、身近にいるのは事業を統括している責任者です。いわゆる生産部隊を率いている責任者ですが、ここにも豪快な方がたくさんいます。よく酒を飲むとか、単純な話ですが（笑）。
アキレス最初の10年で現場を経験されているというのは、強みですね。
斎藤その後、新しく事業開発部が航空宇宙事業本部にできてそこに行き、その後は管理部。管理部は全社で言うと財務と人事と総務が一緒になっているような感じです。いわゆる航空宇宙事業本部全体の参謀部隊に入った後は、本部長から副社長、社長という流れです。
アキレス現場とスタッフ部門を複数経験された理想的なキャリアパスですね。これまでを振り返って、一番ご自分として楽しかったとか、やりがいを感じた時期はどのあたりですか。
斎藤いつもやりがいを感じています。どこへ行っても面白いと思いましたね。瑞穂にいる時は、一生瑞穂工場でやるのかなと思うぐらい面白かったです。技術開発をやる部門も、次の将来を見据えてというところが面白かったです。相馬工場を立ち上げた時にはまた別の楽しみがありました。結果的によかったと思いますね。
