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開催レポート

第3回「メンター・アワード2011」受賞式開催

 日本生産性本部と働く女性のパワーアップを応援する運動を展開している「ワーキングウーマン・パワーアップ会議」は、2011年3月11日(金)に第3回「エンパワーメント・フォーラム2011」を九段会館(東京・千代田区)にて開催し、約200名の参加のもと、「メンター・アワード2011」の表彰式を行った。

 冒頭、ワーキングウーマン・パワーアップ会議顧問 牛尾治朗日本生産性本部会長が開会挨拶を行い、「女性の力をどう社会に活かしていくかが大事だ。『自律』と『連帯』が民主主義と市場経済の大きなポイントであり、多様な社会ではこれがよい循環になった社会が成功するが、この『自律』と『連帯』について、女性の方が西洋の考え方に近い感覚を持っている。高度経済成長からエスカレーター型で昇進をしていく男性に対し、女性は階段を自らの足で歩いてきた。男性中心の社会の中で女性は自立の判断で社会に対処し、女性同士やメンターと連携をしている。企業がグローバル展開を目指す昨今は、女性に優位な時代が始まりつつある。」と述べた。

 さらに、「この会議を発足して3年になるが、最近では経営者の集まりの中で、『女性管理職がいないのはだめだ』『いずれは女性の最高幹部を作らなくては』という声を聞く。女性の力を伸ばす環境は、まだ完全ではないが開けてきた。特に新しい産業では女性が活躍している姿が目立つ。女性のパワーアップに本格的に取り組む時代であり、グローバリゼーションは女性にとって追い風である。」と、参加者の女性に向けてエールを送った。


 「メンター・アワード2011」表彰式では、全日本空輸梶A潟Iークローンマーケティング、学校法人上智学院上智大学の3社が組織部門優秀賞を受賞した。
 表彰式では、同会議推進委員の遠藤貴也氏(住友商事叶l事部長)が講評を行い、3年目となる今年も企業、大学、NPO等から多くの応募があり、全てが素晴らしい取り組みであった中で、「創意工夫された取組みであるか」「他の範となるものであるか」「効果はあらわれているか」など、総合的な観点から選考をし、「組織部門」については、組織や職場で、仕組み・制度を取り入れたことで、女性の活躍が一層図られ、組織の活力として効果が表れている取組みを評価したとして、3組織の取組みについての紹介をした。

全日本空輸 社員の半数が女性であり、女性の多いイメージがありますが、職掌別に男女比が大きく異なり、女性の総合職、技術職、運航乗務職、キャリア採用者、職掌転換者は人数も大変少なく、周りに同じような道を歩んできた目標となる先輩が極端に少ない環境にある。 そこで、先輩女性社員の少ない職種の入社5年目の女性社員や、キャリア採用者や職掌転換者の女性社員を対象に、キャリアデザインセミナーを実施し、アクションプランを実行していく中で、同じ悩みを通過してきた女性管理職層から気軽にアドバイスを聞ける場の提供として、2008年にメンター制度を導入した。働いていく上での女性ならではの将来に対する不安を解消したり、社内ネットワークづくりの支援にもなっている。このような取組みの結果、女性管理職の比率は、2008年以降、毎年アップした。

潟Iークローンマーケティング 社員の9割以上が転職者であり、OJTが積極的に行われる文化はなかったが、2004年から定期的に新卒を採用し始めたことをきっかけに、人材育成のあり方を見直す風潮が高まった。そこで、職場ではOJTを推進しつつ、職場外では直属の先輩や上司に話しづらい悩みや不安を管理職手前のリーダー層がメンターとなり受け止めるという、ダブルサポートを行っており、新卒の離職率も低下してきている。 また、2007年以降に社員の平均年齢が30歳を超えることになり、ライフイベントによる人材の流失が防ぐため、優秀な女性社員が結婚や出産を経て復帰・活躍できるよう、仕事以外で関わる社員をメンターに任命し、プライベートな話も相談しやすい環境を作っています。女性社員が働き続けられるよう支援することで、女性のリーダー昇格割合も高まった。

学校法人上智学院上智大学 全学における女子学生比率はほぼ半数ですが、理工系は女子学生や女性研究者が少ないため、グローバル社会で活躍する理工系女性研究者の育成が求められていることから、世界各国の研究者をメンターに迎える「グローバルメンター制度」を2009年から開始しています。制度導入により、国際社会で活躍する研究者がメンターとなることで、身近で意識啓発を受け、国際舞台に踏み出す足がかりとなったり、共同研究へのチャンスが広がってきている。 また、その基盤づくりとして、理系の女子学生の大学院進学のための支援、及び研究職・技術職への就職支援が必要であると考え、「グローバルメンター制度」のほか、理工系女子学生を対象に「学生メンター制度」と「卒業生メンター制度」を設け、3段階のメンター制度により、それぞれのキャリアパスに対応した支援ができるように工夫をしている。

なお、今年度の個人部門は該当なしであった。

(文責:事務局 企業名・役職名は開催当時のものです。)